2014/01/12 タイトル未定な黒バス

タイトル、何にしようか未定なのを投下。
黄黒前提な話だった筈なのに、なぜか黄黒が一緒に出ないという・・・(笑)

今回は、高緑が主力かな?





高尾は、ちらりと体育館の隅へと視線を走らせた。
キュキュっと、響くバッシュの音に乱れはないが、それとなく周囲を見渡せば、同じように視線を隅へと走らせているものが多い。
いや、多いどころか、ただ一人を除いては、一様にちらりちらりと視線を走らせている。
それでも、誰も何も言わないのは、そのただ一人が、無言だからだ。
無言で、バスケットボールをゴールへと高い弧を描いて放っている。

ひとつ、ふたつ、みっつ・・・。

無言で、次から次へと籠に山のように積まれているバスケットボールを手に取り、放る。
その動作自体は、絵のように美しい。
そして、美しい弧を描いて、ゴールを潜る。

いつもならば、その動作に見惚れている。
そして、俺ももっと…! と奮起している事だろう。
だが、高尾は、そこでひとつ、溜め息を吐いた。


「なぁ、真ちゃん・・・?」


体育館の隅には、なにか黄色いものがちらちらしていた。
黄色いものは、床に限りなく近かった。
いや、床の上にあると言っていいだろう。


「友達、なんだろう?」




じっくりと見たくはないが、見ればよくわかる。
なぜか黄瀬が、床にへばり、「の」の字を書いていた。
――――――この秀徳の体育館で。


黄瀬と言えば、キセキの世代。
キセキの世代と言えば、この秀徳では緑間だ。
なぜ、わざわざ他校でのの字を書いているのかは分からないが、彼が話をしたいと思うのならば、同じキセキの世代である緑間なのだろう。
だが、緑間が、まるっきり彼をいないものとして扱い、話しかけるどころか視線一つすら寄越さないものだから、いつまでたっても―――それこそ何時間経っていても進展が

ない。
ここは一つ、相棒である俺が、びしっと一言告げねば、と思って切り出したのだが。
・・・だが、高尾は、緑間の次の一言で、ぶほっ、と思わず吹き出していた。

「友達? 知らないな」

くいっと、指で眼鏡の縁を直し、至極真面目な顔で緑間が淡々と告げる。
ちらりとも視線を流さない。
バスケットボールから、一切、指も視線も離す気はないようだ。


(いや、知らないって知らないって・・・っ!?)


同じ中学出身の、元チームメイトを、「知らない」とあっさりと切り捨てる緑間に、さすが、ぱねぇ、などと高尾は内心びびった。
へらり、と笑ってはみるものの、あっさりとキセキの世代なんていう滅多にない関係性すらも切り捨てる緑間を見ると、思いつくのはマイナス的な要素ばかりだ。

例えば。
これじゃ、俺は相棒じゃなく下僕かも知れない、いや寧ろ、下僕の認知すらないかも知れない。もしかして、俺ってば、蟻!? その辺に落ちているゴミと間違えられていた

らどうしよう!?

そんなこんなの思考がぐるぐると埒もなく巡り、しかし最終的にはツンデレも拗らせると厄介だな、と落ち着いた。
何しろ、つい先日も、キセキの連中は、仲良く集まっていたのだ。
それを高尾も、見ていた。
中学時代の友人関係は知らない。キセキの世代と一つに括られていても、どのような仲間だったのかも分からない。
別々の高校に入り、疎遠だったのも知っている。
だが、緑間は、楽しそうだったのだ。
それこそ、つい最近まで、神経質に張り巡らせていた硬質な硝子細工のようなオーラを消し去り、やわらかな陽だまりのようなオーラで、仲間と共にいた。
それが、キセキ関連内での、心境の変化だと言うことも分かっている。
だからこそ高尾も、この秀徳の先輩たちも、その関係性を微笑ましく感じていたのだ。
ということは、呼び名が照れるのかも知れない。『友達』ではなく『仲間』。
もしくは、逆に『友達』程度の仲ではないから『親友』とか?

「いや・・・えーと。んじゃ『ナカマ』だろ? なんとかしろって」
「だから、ヤツなど知らないと言っている」
「っ!? いやいやいやっ。今、『ヤツ』と言ったから! それ知っているって事だから!!」
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by ak_yuma | 2014-01-12 17:42 | SSあり

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