2014/10/13 黒子っちがいない―――。

台風の雨が酷くなってきました・・・。>関東。
恐いですねー。眠れるかな?(T.T)


とりあえず?
黒バスSSを下記に投下。
前回投下したのより、書き足しが多くなって、わけわからんので、2ページ目から投下。(←ぇ;)
ハロウィンまでには、ここまではピクシブに投下する予定なんで・・・まぁ、、、そのときにでも、見て下さい<(_ _)>

(あとちょっとで、2ページ目が終わりそうなんだけど、寝たいからここまでw)




2.



「ええ・・と。きーちゃん、ごめん。もう一回、言ってくれる?」

さらさらとした桃色の髪を困ったように掻き上げながら、少女が黄瀬を見上げた。
いつもは色っぽい、おそらく薬用リップだけでケアしているのだろう、つやつやと輝く薄桃色の唇が、今は困惑だけを浮かべている。

「だからっ。黒子っち、っス! 誠凜に行ったら、知らないって・・・っっ」

必至になって、黄瀬は桃井に語った。
黒子に会いに誠凜に行ったのに、会えなかった事。
あまつさえ、『黒子』を知らないとまで言われた事。
更には、黄瀬の事も、雑誌で知るだけのキセキの一員というだけの認識しかないように扱われた事。

(それから、それから・・・っ。)

「ご、ごめんね? きーちゃん、わたしも分からないんだけど・・・?」
「・・・え?」

もしかしたら、黄瀬は、うっすらと涙ぐんでいたのかも知れない。
そっと背伸びした桃井が、可愛らしい桃色のハンカチで、黄瀬の目尻を押さえてくれた。
同じ年なのに、年上のお姉さんみたいな雰囲気で、黄瀬の腕を宥めるように、ぽんぽんとあやしてもくれる。
本当に申し訳なさそうな顔をして、――――――それでも。

「ごめんね。私も黒子クン? は、分からないよ」


(――――――え・・・?)


黄瀬は、呆然と目の前の桃色の少女を見詰めた。
誠凜を後にして、この桐皇にすぐに来たのは、同じ都内の高校だからというだけではない。
彼女が情報通だから、何か知っているかも知れないというだけでもない。
帝光中時代から、桃井は、黒子に好意を寄せていた。
周囲にも分かりやすくというよりも誰はばかることなく、当人にも好き好きと言い続けて、猛アタックしていた。
あれで分からなかったのは、当の黒子だけだ。
だから、この気持ちを分ちあいたかったのだ。
黒子に会いに行ったのに、何の冗談か黒子を知らないと言われた、この遣る瀬無い気持ちを分かって欲しかった。
一番、分かってくれるのは、――――――桃井だけだと思っていたのに。

「な・・・な、んで・・?」

あんなにも、テツくんテツくんと騒いでいたのに。
大好きっ、と黒子に向かってダイビングしていたのに。

「う、うそ・・っス・・・っ!」

分からない分からない。
桃井が何を言っているのか、誠凜が何を言っていたのか。
分からないし、分かりたくもない。

「うそうそうそ、っス・・・っ!!!」

「なに、人んとこで騒いでんだ? 黄瀬」
「青峰っち・・っ!!!」
「あん?」
「桃っちがおかしいっス!」
「あぁ? さつきがおかしいのは、いつもの・・・―――ぐへっ」

ふるふるふると、黄瀬が激しく頭を横に振っていると、真っ黒い男が訝しげに声を掛けてきた。
目つきが悪く、怖い面立ちだが、黄瀬にとっては憧れの人物だ。
何しろ、彼のようにプレーしたくて、バスケを始めたのだ。
そして、黒子の中学時代の相棒だ。
黒子のパスを受けて、ゴールする青峰は、凄まじかった。
何度、青峰に近づきたくて、挑戦したことだろう。
何度、黒子の相棒である青峰が羨ましくて、挑んだことだろう。
その青峰が、言葉の途中で、お腹を抑えて蹲ったのは、・・・これは見ても、考えてもいけない。
どこからどうみても綺麗な桃色の少女が、その側でにこにこと絶世の微笑みを浮かべているだけなのだから。

「桃っちが、黒子っちの事、知らないって・・っ」
「あ?」
「黒子っちのこと、知らないって・・・っっ」

黄瀬にも、自分が泣いている事が分かった。
ぼろぼろと水滴が、俯いた地面の先へと落ちていく。
慌てて桃井が駆け戻ってきて、桃色のハンカチを目元へと当ててくれる。

「――――――わりぃ。オレにも分かんねぇや」

ドクン、と心臓が止まりそうになる。
なに?
なんて言った?
青峰は・・・黄瀬の憧れの人は・・・黒子の相棒だった青峰は―――。

「・・・・・・・・・・・・え?」

精悍な顔を少しだけ歪めて、困ったようにそっぽを向く。

「分かんねぇ。わりぃ」
「黒子っち、っスよ・・・っ!?」
「ああ。だから、ソレ」
「そ、れ、・・・っ!?」

――――――テツ。
って。

いつもいつも、黄瀬が羨むぐらいに親しげに名前を呼んで。
まるで青峰だけのものだと言うように、肩を組んで。
二人こそが最高の光と影の対なんだと見せつけるように、―――拳を合わせてたのに。

「――――――いるっス・・っ」
「あ?」

青峰が怒ったように眉を潜める。
でも、それは本当は、困った時の顔だ。
もともとが野性味のある顔だから、困り顔が、威嚇しているように見えてしまう。
そんな事は分かっている。
それを黒子が、後頭部にチョップして、窘めていたことも覚えている。

(・・・それなのに。)


「黒子っちは、絶対、いるんスよ・・・っ!!」
「きーちゃん・・っっ」

ぼろぼろと泣きながら叫ぶ黄瀬を、桃井が抱えるように頭から抱きしめた。

根底から揺らぐ。
覚えているのに。
知っているのに。

今、黄瀬が立っているのは、どこ?

夢を見ている?
現実はどこ?

それとも、黒子が夢なのか?


(――――――そんなこと、ない。)


黄瀬が奮起できたのは。
青峰も立ち直れたのは。

桃井がまた、明るく笑えるようになったのは。


「うん。分かった。分かったよ、きーちゃん」
「ももっち・・っっ」
「ごめんね。いるよね。わかったよ。だから泣かないで?」
「ほんと・・・?」

コクンと頷く桃井は、優しげに微笑んでいる。

(・・・でも、名前を呼んでない。)
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by ak_yuma | 2014-10-13 22:08 | SSあり

アスキラ・総一・スザルル LOVE


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