2014/12/15 黒子っちがいない―――【トリート】

ハロウィンネタの黒バス。
漸く、完了です(笑)
とりあえず年内に終わってよかったけど( ;^^)ヘ..


そんなこんなしてたら、ルル誕が過ぎているし・・・。
なんか考えていた気がするんだけど・・・;;
おかしい。時間が。(早すぎる・・・)

そういえば、私服がダサいアニメに、種が2位で入ってました・・・、ね・・・。うぉぃ。。
そ、そんなにダサい? いや、まぁ、、、ダサいのもありましたけど・・・か、可愛いのもあったよね? ね?
バイス―とか、かっこよさすぎるから、逆に私服が萌えないのよ! きっと・・・た、たぶん・・・。
なんにしても、話題になるだけ、好きな人が多いってことだと、ね(^-^;


昨日は、夜に外に出たら、流星が見れました。
今日も見れるかな?



ではっ。
以下、クリックして、見てね!




>>黒子っちがいない―――【トリート】



その日。



「トリック オア トリート」

「・・・・・・・・え?」

「トリック オア トリートです。黄瀬くん」





「ぇえええええっっっ!!!?」


なぜか。
いないはずの黒子っちが――――――いた。







【トリート】
意味:ご馳走。手当。論じる。  など。



*




「なんの用スか? 赤司っち」

紫原をマンションに泊めた翌日。
黄瀬は、都内の某所まで、赤司に呼び出されていた。
「まだ寝てるー」と、ごろごろしていた紫原はマンションに残してきている。
オートロックだから、帰りたくなったら勝手に帰ってしまっても問題ない。
その事は伝えてはいるが、あの様子だと、黄瀬が帰るまで待っているかも知れない。

(部屋が、お菓子のカスだらけにならなければいいんスけど。)

と、心配事はそこに尽きる。
そんなことを考えながら、自分を呼び出した男を見つけて、声を掛ければ。

「・・・う。ごめん。オレのせいっスよね・・・」

怒ってはいなさそうだが、なんとなく苦そうな視線が返ってきた。
呆れの色も含まれているかも知れない。

「自覚はあるようだな」
「・・・桃っち辺りスか? 心配かけちゃったみたいで・・」
「そうだな」
「赤司っちも・・・その・・?」
「なんだ?」

赤司は意地が悪い。
黄瀬が聞きたい事も、聞きたいけど聞きたくない理由も、分かっているのに、現実を突きつけるように、“その言葉”を言わさせようとする。
言葉を口にする事で、現実を認識させようとする。
昔から赤司はそうだ。
誰よりも仲間の様子を観察し、適切に対応する。
ともすれば、それは冷たく厳しく感じられもする。
だが、それこそが、赤司の優しさだ。
甘えが必要とあれば甘えさせもしてくれるが、不要とあれば甘えなど許してはくれない。
それが当人の成長の為だからと。

「はっきり言え」
 
今も、言葉を濁す事すら、許してはくれない。
黄瀬に逃げを許さない。
だけど、黄瀬にとっては、これはなくせないものなのだ。
誰が何と言おうと、彼は存在し、黄瀬にとっての、救いなのだ。
だから、例え言葉だけでも、彼を否定したくはない。
それを暗示する言葉を仄めかして欲しくもない。
俯いてしまった黄瀬に、赤司はふう、と一つ、溜め息を吐いた。

「お前にとって、その彼は、どういう存在だ?」
「・・え?」
「俺たちと、彼と、どちらが大切だ?」

その問われた瞬間に、黄瀬はどんな顔をしていたのか。
顔が強張り、何かが深く胸を貫いた気がした。
その深く突き刺された胸が痛みに気付く前に、赤司が何とも言えぬ困ったような顔をした。
その顔に、なぜだか泣きたくなった。
言葉を紡ぎたいのに、声にならない。
そんな様を見てとり、すぐに赤司は黄瀬に謝罪してきた。

「悪かった。こういう言い方は、ずるかったな」

その潔さは、いっそ清々しく、強張っていた顔も緩む。
緩んで・・・くしゃりと歪んで。
もう、黄瀬にもどうにもならなかった。

「わ、わかっているっス! もう、分かっているのだけどっ!!」


――――――黒子っちはいない。
この世界のどこにも、黄瀬の大切な黒子はいない。

がむしゃらに突っ走っても。
暗喩する言葉を発せずとも。
いないものは、探しようがない。


「ここにいない黒子っちと、キセキの仲間を天秤に掛けれないって事も!
でもでも、オレにとっては、大切で・・・どっちも大切で、どっちかなんて選べないっス!!」


ぼたぼたと、雫が瞳から足元へと転がり落ちていく。
転がり落ちた雫は、すぐにアスファルトへと吸い込まれ、雫の軌跡である染みを作るのみだ。
だが、それがいくつも幾つも、染みを作り、広げていく。

「そうか・・・。」

赤司は、泣くな、とは言わなかった。
分かりやすく慰めようともしなかった。
これは、きっと黄瀬にとって、乗り越えねばならない事なのだろう。
だからこそ、赤司が淡々と尋ねてくる。

「お前にとって、彼は、どういう存在なんだ?」

だが、その声は、慈愛に満ちている。
心持ち、いつもより優しく響いてくる。
それは、ここで黄瀬が、いくらおかしなことを言っても、見捨てたりはしない。
頭の変なヤツだと突き放したりはしない。
そういう安心感を与えた。

「例えるなら・・そうスね、空気とか水とか・・・オレが存在するのに必要不可欠なものなんスよ。赤司っちたちの事も勿論大切な仲間なんだけど、黒子っちは、いなきゃオレらしく生きていけないと言うか・・俺が俺らしく生きていく為の潤いとか・・・気を抜ける空間・・・ううん、もうオレ自身の一部なんスよ」

自分でも何を言っているんだろ、と思わなくもない。
生きていけないなんて、黒子に依存している。依存しすぎている。
それでも、それが黄瀬の正直な思いだった。
黒子がいなければ、世界はあまりにも味気ない。未練を覚えない程に。
確かにキセキの仲間もとても大事だが、それすらも強くこの世界に心を繋ぎとめることが出来ない。

「まぁ、いいだろう」

黄瀬が心の闇に深く沈み込みそうになった時。
あっさりと赤司が告げてきた。
何やら、黄瀬の残念な頭でも分かるほどに、前後の脈絡がない気がした。

「合格だ。戻るぞ」
「・・へ?」

続けざまに告げられた言葉は、更に理解が及ばなく、黄瀬はこてんと首を傾げた。
そこに幼子に噛んで含めるように赤司がゆっくりと重ねてくる。
妖しげな笑みを口の端に乗せて。


「お前のマンションに、戻るぞ」
「・・・ほぅぇ?」










そして冒頭に戻る。
赤司に連れられるまま、自分のマンションに戻り。
扉を開けると、そこには――――――。








*



扉を開けると、そこには――――――。











「トリック オア トリート」

黄瀬は、大きく目を開いた。

「・・・・・・・・え?」
「トリック オア トリートです。黄瀬くん」

わけが分からない。
目の前の人物が信じられない。

「・・・だ、だれ?」
「・・・キミが探していた相手ですよ」

黄瀬の茫然とした問いかけに、
少しばかりの沈黙の後、淡々と応える解に、ますます信じる事ができない。

「え? えぇ? ・・・くろこっち?」
「はい。僕が黒子です」

疑いつつ、それでも姿はそう見えなくもないから、一応は尋ねてみた。
しかし、否定されると思った答えは、あっさりと肯定され、黄瀬は、ますます首を傾げた。

「・・・え?」
「黒子テツヤです」

「ぇえええええっっっ!!!?」



――――――はぅぁ?
と、あまりの驚きに黄瀬は、奇声をあげた。

だって。
ここは、緑間の言うところの『パラレルワールド』で。
・・・そもそも。

「嘘っス」
「・・・え?」

あっさりと嘘と断定した黄瀬に、今度は黒子もどきが首を傾げて見せる。
だが、黄瀬は騙されたりはしない。

「嘘つきっスね。もう、みんなで騙そうとするなんて、悪い人たちっスね。嘘ついたらダメでしょ。嘘つきは閻魔様に舌を抜かれるっスよ」

どんなに黒子に似ていようとも。
黒子に似て、可愛くても。愛しくても。


「嘘っス!」


泣くように叫ぶ。
――――――黄瀬の好きな、黒子っちならこんな事しない。


・・・なぜなら。



「? 嘘じゃないですよ。トリック オア トリートです。ハロウィンです。どっきりです。黄瀬くんを驚かせたくて――――――」




流石に様子がおかしいと思ったのか、黒子が黄瀬に近寄る。
俯き、唇を噛みしめる黄瀬を落ち着かせようと、手を伸ばす。
いつもなら、こんなに近づけば、黄瀬の方から、黒子に抱き着いてくる。
それなのに、その手が、黄瀬の腕に触れるか触れないか・・・そこで腕が乱雑に振り払われた。
そして。

「黒子っち!」

パンっ、と黒子の頬で、黄瀬の手が鳴る。

「オレが探しているのが分かっていてこんなことしたの?」
「・・・きせ、く・・ん?」
「オレがどれだけ黒子っちを大切に思って、苦しんでいるのが分かっていながら?」
「・・・ぁ」


――――――黒子っちならこんな事しない。


なぜなら、黒子は人の気持ちを尊ぶからだ。
人の気持ちを解さないような、酷い事なんかしない。
昔のキセキのように、人の気持ちを弄ぶような事なんかしない。
そんなキセキを・・・黄瀬たちすら、想い、信じて、待っていてくれた黒子なら。


・・・それなのに。







「す、すみません・・っ」





俯き、涙する黄瀬に、オロオロと黒子が手を差し伸ばす。
そして、そのまま抱きしめてくれた。
今度は、腕を振り払ったりはしなかった。
その腕に、蹲るように、縋るように、黄瀬が抱き着く。


「さ、探し・・たん・・だから・・・っっ」
「はい。すみませんでした。」


もう見失うまいとするように、ぎゅっと縋る黄瀬に、黒子は一切の言い訳をせず、謝罪した。
例え、一番最後に驚かせて、ご馳走でもてなしたいと思っていたとしても、黄瀬を傷つけたのは確かだった。
まさか、こんなにも震える程の衝撃を与えるとは思わなかったのだ。
ほんの少しの悪戯なつもりだった。
黒子をいないものとした“設定”を扱うとしても、黄瀬が本気で信じるとも思わなかった。


「やりすぎだったな。すまなかったな、黄瀬」
「ごめんねー、黄瀬ちん」
「すまなかったのだよ」
「わりぃな」
「きーちゃん、ごめんね」


黒子に続いて、赤司、紫原、緑間、青峰、桃井も謝罪する。
皆、ばつの悪そうな顔をしている。
だが。


「でも、まぁ、合格だ」

――――――どうして、こんな真似を?
そう問い掛けようとした黄瀬の言葉は、その前に赤司によって遮られた。
さっきも、それ聞いたな、なんて思う間もなく。

「心配していた黒子に対しての異常な依存度は、思った通りに異常だったが」
「ひどっ。なにそれ、酷いっス!」

フォローしているんだか、していないんだか分からない言葉が続き。

「――――――だが、真剣なのは分かった」

それまでの口調とは一転して、思わず正座して聞きたくなるような厳格な赤司の声に、黄瀬は思わず、黒子を見た。
黒子がこくんと頷き、微笑む。

「よかったです。魔王様に反対されたら、終わりですから」
「え? あ・・・」

言葉が脳へと理解が及ぶにつれ、黄瀬は頬を赤くした。
そうか。

(そうか・・・。気付かれていたんだ。)

黄瀬の黒子への想い。
黒子の黄瀬への想い。
それから、二人が・・・。


(・・・付き合っていること。)



周りを見渡せば、あたたかい笑みが広がっている。
赤司は仕方がない、というふうに。
紫原は唇を尖らせつつ。
緑間は眉根を顰めたように。
青峰はそっぽを向いて。
桃井だけは複雑に涙ぐんで。



「ごちそうを用意しました」



黒子が手を引く。
黄瀬の指に、指を絡めて。
リビングの方へと足を向ける。

「Trick or Treat! です。黄瀬くん」

踏み入れたリビングは、なんというか不思議な空間だった。
オレンジ色を基調にして、かぼちゃなど様々な飾り付けがなされ、キャンドルまで灯されている。
幻想的なその空間は、とても黄瀬が赤司に連れ出されていた短い時間に飾りつけられたものとは思えないほどだった。
ダイニングテーブルに所狭しと並べられたオードブルは、赤司の手配したものだろうか。
これだけの準備をするのは、時間も手間も掛かった事だろう。


「もう、悪戯は、ごめんっすよ」


嬉しくて。
でも、複雑で。
泣き笑いのようになってしまった黄瀬に、黒子が笑みを見せる。


「それじゃあ」


その、黒子の言葉が合図となり、声が弾ける。
これからの素敵な時間を。











「「「「「「 ハッピー ハロウィン!!! 」」」」」」
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by ak_yuma | 2014-12-15 21:36 | SSあり

アスキラ・総一・スザルル LOVE


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