2006/05/14 散華6(纏め)

あ゛う(痛)
前回にバックアップを取ってからそんなに時間がたってないから大丈夫~v と思っていたら・・・散華の下書きが; ちみっと消えました(爆)
まあ、仕方ない・・よね;;

PCの復元。
そうか、XPにもあるのですね~。
2000シリーズはなかったよね?
95からのシリーズでは、Meからあるものなのですが、XPは2000と95シリーズの纏めだと聞いてたから、ナイかな?と思ってました(*^^*ゞ
教えて下さってありがとうございます~v

はい。えと散華6。
結局、一章は、これでは終わりませんでした; 次の7こそ。(って、6も長いよ;) 6の部分を全部纏めてありますので。どぞ↓



散華6

「わたし・・・」
「ん?」

静寂な時間が過ぎていた。
唐突とも言える程、唐突にラクスが口を開く。

「明日には戻らなければなりませんの」
「うん・・?」
「キラは寝ているのでしょう?」

--------ちょっとだけ・・・。
そう呟いてラクスが立ち上がる。
これにより、この私的な会議は事実上、お開きを告げた。
ざわり、と空気が動きだし、それぞれが息を吐く。
バルトフェルドはコーヒーをもう一杯入れる為に立ち上がり、イザークはもう少し話を詰める為に、ディアッカと共に席を移す。
シンもまた、データを揃え、そちらへと倣う。
メイリンとルナマリアは、簡単なものでも作ろうか、と立ち上がったマリューを手伝うべく、やはり立ち上がる。
カガリはその様子を横目で見ながら、

「寝込みを襲うなよ」

自分も伸びをしながら立ち上がり、ラクスへはひらひらと軽く手を振り、見送った。









私たちは・・・。

ふ、とラクスは心に言葉を落とした。

---------止まりすぎているのかも知れない。


それは、ふいに浮上した言葉のようで、実際は常に考えていた事かも知れない。
そして、常に考えないようにしていた事かも知れない。
ぽつり、ぽつりと暗く陰りを落とす廊下を進む。
歩く度に、そこだけ道は明るくなるが、視界の先は相変わらず暗いままだ。
それが歩けば、その範囲だけが自動的に明かりが灯る。
それは、まるで人の人生のようではないだろうか。
先の見えない不安。
先の見えない暗闇。
だが、人は止まる事など出来はしない。
常に先へと歩き、進んでいく。
---------未来を信じて。



なのに。

最早、切捨てなければ。
そう思うのに、そうする事が出来ない。
それだけ「アスラン・ザラ」という存在は大きすぎた。
私たちの中では。
そして、とりわけキラの中では。
生きているにしろ、死んでいるにしろ、生死をはっきりと確認しない事には前に進むことすら出来ない。


いや、それとも。


最早、歩いているのかも知れない。
このままでいいのかも知れない。
生死など確認せず、このまま進んでいけばいいのかも知れない。
キラの記憶が戻らなくとも。
そこには、私たちと共有するものが消えているが、それはそれでいいのかも知れない。
誰の記憶であれ一つではない。
同じ記憶を有していても、感じ方は人それぞれ。
記憶の仕方もまたそれぞれ。
同一の記憶などありえない。
ならば、例え、キラの記憶が戻らなくとも・・・。


道は何も一つではない。
本来、歩いてきた道と少しばかりずれていたとしてもそれが何であろうか。
本質には大差がない。
もしかしたら、それこそが正道になり得たかも知れないのだ。





だけど。





アスハ家の各部屋には基本的には鍵が掛かっていない。
もちろん鍵自体はついている。
だが、かなりな割合で掛かっていない場合が多い。
それはアスハ家自体が厳重な警備の中にあるから、それほど各居室でのセキリティを重視していないという点があるのかも知れない。
または気心が知れた仲というのだろうか。
代々続くような古くから見知ったものばかりがアスハ家には仕えている。

ラクスは、堅牢な樫の木の一枚扉をそっと押し開けた。
それは重そうな外見とは裏腹に、少しの軋みもなく、軽く開いた。
照明を落とされた室内は暗く、その開いた扉の分だけ廊下の明かりが一筋、差し込んで行く。
ラクスはその光が人一人分通れるくらいまで開けると、それ以上太くならないうちに、するりと内側へと身を滑らせた。
そして、そっと後ろ手に扉を閉める。
すると一瞬、全てが真っ暗になるが、すぐに足元の常夜灯がうっすらと点灯し始めた。
それは微かな光となり、室内の様子を浮かび上がらせる。
たゆたうようなゆったりとした静寂。
足元に光る常夜灯のおかげで、なんとか物があることは分かるが、それでも先ほどまで明るい照明の下にいた目では形の判別まではつかない。
暗闇に目を慣らすようにパチパチとなんどか瞬きを繰り返す。
何度も繰り返すうちに段々とそれが何であるか物の形の判別もつくようになってきた。

「キラ・・・」


視線の先にあるのは、キラの寝台。
うっすらと開かれる唇が呟くのは、彼の人の名前。
そろり、と足音を忍ばせ近づけば、その顔が月明かりのせいか青ざめ、苦しげに歪んでいるのが見て取れる。
眉根を寄せ、布団を拳で握り締め、少しの安らぎも見出せはしない。
それは、昼間には見る事のない姿。
こうして意識のない時にだけ表れる、何かに耐えるような苦しげな表情。


「キラ・・・」


ラクスは、そっと唇を噛んだ。
瞳には熱いものが込み上げてくる。



最早、切捨てなければ。
そう思うのに。







だけど。







この顔を。
この姿を。

見てしまったら。
知ってしまったら。






-------------------最早、そうする事もできない。










それにしても・・・。
自分は何と薄情なものなのか。

フッ、とラクスは溜息を付き、キラの寝台の傍らへと膝を付いた。
そして、その握り締められた拳へとそっと手を添える。

少しでも彼が安らぎますように。
少しでも温もりが彼に伝わりますように。


-------そう『彼』だ。
全ては『彼』を思って為している。


本来なら、自分が一番、悲しまなくてはいけないのかも知れない。
親に定められし事とはいえ、14歳の時から、いずれ生涯を共にする者として過ごして来たと言うのに。
何も不満などなかった。
アスランは言葉少なかったが、優しく、心穏やかだった。


それなのに・・・。

誰も何も言わないが、自分は何と薄情なのだろう。
今もこうして胸につかえるのは、『彼』の事だ。
アスランの生死が知れぬ事よりも。
『彼』が--------キラが、嘆き悲しむ姿を見る事の方が辛い。


「どう・・したの?」
ラクスの気配に揺り起こされたのか、キラの瞳がうっすらと開かれる。
差し込む月明かりにキラの瞳が光を吸い揺れている。
思わず見惚れてしまう澄明な輝き。

「あ・・ごめんなさい。起こしてしまいましたね」
まさか、起きるとは思っていなかったのだろうか。
一瞬、そのまま見惚れてしまったが、次の瞬間には、驚きにびくり、と体を跳ね上げた。
慌てて重ねていた手を引き、ラクスは頬を羞恥に染める。
ん・・それは大丈夫だけど。と微かな呟きと共に、再度、柔らかな声で問い掛けられる。

「どうかしたの?」
「あの・・明日にはプラントには戻らなきゃならないのです。それで・・・」

言い訳は幾つか考えて来ていたのに。
いざとなったら、しどろもどろにしか答えられない。
キラはそれをどう受け止めたのだろうか。
俯いてしまったラクスに、

「僕も一緒に行こうか?」
「え?」

プラントの情勢もまだまだ不安定だ。
ラクスがそれを心配して、不安になり、キラの元へと縋りに来たと考えたのかも知れない。
キラとしても出来ることなら、ラクスを助けてやりたい。
暖かい聖母のような彼女に惹かれている。


だから。



「あの・・・私は嬉しいですけど」
-------カガリさんが、なんと仰られるか。
それに、オーブとしてもまだまだキラの助け手が必要でしょうし。

政治的な意味合いで、あくまで遠慮する彼女に。
困ったようにキラは微笑んで、

「だから泣かないで?」
そっと、差し出される指先がラクスの頬を触れ、涙をひとしずく掬い取っていった。
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by ak_yuma | 2006-05-14 19:50 | DARK・SSあり

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