2006/12/12 約束の日2(蒼穹)

大好きな蒼穹サイトさまが休止状態に入ってしまいました・・・っ。
リフレッシュ期間が終わったら、返ってきて下さいね。
早めのご帰還をお待ちしています。

(あ、バトンが廻ってきてますが、ちょい待っていて下さい☆)



んでは、総一まだでてませんが;
総士誕生日SSで↓



約束の日2

そんな二人に乙姫は、くすくすと擽ったそうに微笑み、暫くはなすがままになっていた。
だけどいつまで経っても疑心暗鬼のまま、ぺたぺたと触りまくるだけの千鶴には、とうとう焦れたように手を伸ばした。

「ねぇ、千鶴は抱きしめてくれないの?」

千鶴がどうして抱きしめられないのかは分かっている。
疑問と不安がいっぱいで、触れれば消えてしまうんじゃないかと戸惑っている。
だけど。

「わたしはここにいるよ。ちゃんとここにいるから」

芹に抱きつかれたまま、千鶴の方へと手を伸ばす。
ちゃんと抱きしめて貰えなければ、せっかく還って来たのに物足りない。


「わたしたちは選択するということを知ったんだよ。」



そう乙姫は語りだした。

「生きるということ。望むということ。どこでどのように誰の側にいるか。フェストゥムの側から、形を得るということを選択したの」

それは並大抵の決心ではない。
弱い心ではありえない。
ただありたいと望むもの。ただ、在りたいと。大切な彼の人の傍に在りたいと。
心寄せる誰かと共に歩みたいと。

「神様の奇跡なんかじゃなく、自分で選んだの。自分で望んだの」

だから、彼はこの日を選んだ。
有へと生まれ変わるのは自分の意思だと。
そしてわたしもそれに賛成した。
ならば、共に生まれ変わると。



---------それは一騎も感じている。
島の一人一人が感じている。
今は戸惑い、恐れ、手を伸ばすことを躊躇しているけど。
でも感じている。
肌で。心で。細胞の一つ一つで。
風が頬に触れていくように、吐息を、鼓動を思いで感じている。

走る風。
流れる雲。

自分の思う先へと走る。




目を瞑れば、一騎が走っているのを感じる。
息を切らしながらも一生懸命、島の海岸線へと走っている。
その先に何があるのか。
既に知っている迷いのない足で。




ふ、と乙姫は微笑んだ。
両腕に、芹とは別の確かな温もりを感じる。
全身を苦しいぐらいにぎゅっと力いっぱい抱きしめられている。
もう離さない、離したくないと、零れ落ちる涙は嗚咽を含んでいる。
・・・この温かな腕を夢みていたのだ。
島の核として全てを見守らなければならないゆえに。
ともすれば、消えてしまいそうな自分。
だけど、自分という核を捨てきれなかった。
もう一度、千鶴に抱き締められたいと思ったから。
乙姫は、ゆっくりと千鶴の背へと腕を廻した。
自分の心にも言い聞かせるように、しっかりと確かな声で、もう一度告げる。




「・・・ただいま」
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by ak_yuma | 2006-12-12 22:15 | SSあり

アスキラ・総一・スザルル LOVE


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