2008年 04月 07日
2008/04/07 始動。(スザルル)
更に、もう一つ、ちまっとしたのを書きたいので、サイトアップは、また今度で。
やっぱり、本編が始まると違いますね~・・・活気が(笑)
拍手、ありがとうございますvv
>>始動。(スザルル)
・・・夢を見ていた。
襲い来る焦燥感。
突き刺さる苛立ちの棘。
何も変わらず。何もない。
愚かしくも緩やかな日常。
・・・退屈な毎日に死にそうだった。
何かが足りないと思っていた。
何かが違うと思っていた。
それでも、それが何か分からなく。
ただ、もどかしく生きていた。
・・・本当は死んでいたのに。
結局は何も変えられなかった。
結局は何もしてこなかった。
・・・未だに、あの男の手の中にいた。
何も生み出さず、何もしていない。
そして今は記憶さえも奪われて。
偽りの毎日。
偽りの記憶。
・・・それでは、あれは?
あれも偽りの記憶なのか?
『ルルーシュ。赦しは請わないよ。友達だろ・・俺たちは』
銃を向けて・・・銃を向けられ。
お互いに向け合い、絶叫した思い。
-----そうだな。友達だな、俺たちは。
甘かったのはどちらか。
どちらがより多く強い思いを持っていたのか。
記憶を手放したのはもしかしたら自らの望みか。
目の前の事が信じられなくて。
目の前の人物を信じすぎていて。
・・・そこには、確かな思いがあった筈なのに。
もはや、それすらも偽り。
ただの偽りだったのだ。
「・・・まるで、白雪姫みたいだな、俺は」
「ルルーシュ、どうした? 大丈夫か?」
ふと、自嘲が漏れ出た。
それを見咎めた魔女が振り返る。
無機質な顔で。無感動な声で。
それでもそこには労わる言葉がある。
・・・魔女の口付けで助けられるなど。
それこそ白雪姫か眠り姫か。
まるで歪んだ童話のようではないか。
人でないものに助けられ。
人に家畜として扱われた。
それこそ・・・友だと思っていてたものに、奈落へと。
-------突き落とされて。
それならば。
物語を終わらせればいいのだ。
白雪姫が毒りんごから目覚めたように。
眠り姫が紡錘の呪から目覚めたように。
さあ、始めよう。遊行の時を。
目指す世界をこの手にする為に。
『--------友達だろう? 俺たちは』
by ak_yuma
| 2008-04-07 21:22
| SSあり